そのときわたしは、もしかしたら、ひとつひとつの記憶は
ちゃんと保っているのではないか。それでいながら
その思い出が、自分の人生全体のどこに、どういうかたちで
位置しているのか、それを固定する地図のようなものを
失ってしまうのではないか。いろいろな記憶が、
モザイクのようになって、ちょうど夢をみるようなかたちで、
脈絡なく脳内に散らかっているのではないか。
バラバラの記憶を本人なりにつじつまを合わせようとして、
理屈の通らないことを言ったりとか。
まぁ認知症の場合、
記憶障害以外にもいろんな問題や症状があるので、
家族の悩みも深いんだけどね。
>記憶が消える! その不安と恐怖
![]() | 認知症の知りたいことガイドブック―最新医療&やさしい介護のコツ 長谷川 和夫 中央法規出版 2006-04 |